桜の舞う世界








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ー数十年後ー







「お婆様!!今日は花を摘んで来ました!
綺麗な桃色ですね〜お婆様みたい!」






可愛らしい声で私に花を贈ってくれる

女子(オナゴ)



この子は第百三十二代目の巫女姫








そして私はその二代目前の巫女姫








第百三十代目の巫女姫だ








あの出来事から数十年がたち







今私の命は尽きようとしている









身体は地に落ち魂は天に帰るのだ








その瞬間は霊力で感じ取っていた








だからもう未練は全部無くしたつもりだったが









あの鈴彦が言っていた者の姿を









思い出したいという願いが

消えるどころか年を取るごとに

強くなっている気がした







「蘭よ……こっちへお戻り…」









「はい!お婆様!」







そう言い走りながらこちらへ向かう愛おしい孫








「蘭、あまり外から近い庭には
近づいてはいけないよ」








「なんで?」







「妖に会ったら霊力を奪われてしまう」









「分かりました!お婆様の言う事は守ります」









「素直で可愛らしい蘭、いい事を教えよう」







「はい、お婆様!」









「妖に本当の名を教えるのではないぞ」







「特に賢い妖は厄介じゃ」







「お婆様?どうしてなのですか?」







「名を教えてしまったら呪いを
かけられてしまうからだ」









「分かりました!お婆様!忘れません」








可愛い孫は現れてきた母親と部屋の奥に行ってしまった





一人になった私は寂しい気分になる








「それにしても、自分で言った言葉に……」










なんとなく違和感があるような………








分かりそうで分からないなんとも言えない気分









「もう季節は春なのだね。桜の木も
もうすぐ咲きそうだ」








桜の木を眺めていると急に息苦しさを感じた











「…………ぅ……っ!」




耐えきれなくて体が倒れる







バタッ










「はぁはぁ………んがっ、……」








何かを吐き出した感覚に手元を見ると










「…………ぅ……血だ」









急いで式神を使い助けを呼ぶ











急いで、早く皆をここへ………








その言葉だけが私の頭の中で連呼されていた












少しして廊下から大勢の足音が聞こえた











「母上!!」







私の娘が叫んだ








その声を聞いて安心したのか意識が




いつの間にかなくなっていた

















次に目を覚ますと










薄い赤色の布が私の周りに浮いていた
















ここは…前にも見たことがある








確か、母上が亡くなる直前に母上を
寝かした場所に似ていた








そこで私は状況を理解した









私はもうすぐ死ぬ、と










体を横にしたまま声を出す








「誰か、誰か居らぬのか」












「はい、私がいます母上」







「お前か、私は倒れてから何日経ったのだ」







「四日でございます」







四日か……縁起が悪いな









「愛おしい娘よ……」







「なんですか母上」







「私の命はもう死ぬ。」





「な、ぜ、ですか」






「いいかい?この部屋に入れられたという事は
もう命は長くないと言っているようなものだ」






「母上……」






「だからお前に遺言を言い渡す」







「そんな!母上……」







「私の遺言はこの先何があろうと何百年何千年が経とうともこの名高い巫女の家系を途絶える事がないようにしなさい」






「………………」







「そしてあの妖退治の話を受け継がせるのだ」







「母上……っ…」






「血の分けた子に必ず受け継がせよ」








「分かったな、私の娘よ……」








「………っ………母っ………上」













娘よそれは承知したという事でよいな









そう心の中で呟やいてからまた








意識を落とした

















































































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