桜の舞う世界
その後、数週間が過ぎた
桜が満開に咲いた頃
ふと私は目を開ける
そして
残り少ない霊力を
式神に使い皆を集めるように呼びかける
少ししてから皆が集まった
「皆…………よく、聞きなさい」
言葉を続ける
「この日まで私の面倒…………」
「…ご苦労であった………………」
皆の顔が赤い布で隠れていて見えなかった
その代わりに大きな引き戸から見える
桜の花びらが部屋に入り込み幻想的な空間を作り出してくれた
ああ……なんて綺麗な桜の花びらだろう
「 最後は名も姿も分からない
あの人に会いたかった……っ」
思わず口にしてしまった。すると声がした
「母上?何を仰っているのか……」
私の娘だった。
私は娘の言葉を無視してこの言葉を言う
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「 我が心なき胸の淵を思い出す事なく
我が身を去る時
貴方の瞳が縁を結ぶ鍵となる事を願う」
っと
「母上?」
「忘れるでない。この言葉を
子に受け継がせよ」
そう、娘に言い残し瞼を閉じた
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