桜の舞う世界










「私の祖先が名高い巫女、桜子巫女姫なの?」










ふと、お母様が言っていた事を思い出す













『この話を他人には教えず
血の分けた子に受け継がせるのよ?』











「確か、お母様は受け継がせる理由は
分からないと言っていたわ」







お母様が言っていた事が本当ならば








この本に書いてある物語が







本当に希棐家の祖先の話と繋がっているのね?














「この事はお母様、知らないわよね」







そうだわ……お母様にこの事を話しましょっと










そう思いすぐ行動に移した























コンコン……




ドアを叩くと中から声がした



「どなた?…」







「お母様、桜湖です」







ガチャ






「お入りになって」








「はい、お母様……」












………バタンッ














中に入ると早速お母様に話しかけられた












「こんな夜遅くにどうしたの?」








「夜遅くにすいません。お父様はどこに?」







「もう寝ているわ」






「そうですか……お母様」







「桜湖?可笑しいわよ?あなた」








「お母様が祖先の話をしていた件で
分かった事があります」






「分かった事?ですって?」








「はい……お母様、私達の祖先は……」











その時ドアからノック音が聞こえた










コンコン










「どなたかしら?」






「奥様……メイドでございます」






ガチャ



お母様がドアを開ける







「奥様…夜遅くにすいませんでした、先ほど
お婆様がお倒れになり今病院に向かって
いるところでございます奥様も是非
病院に向かった方がよろしいかと」








焦った表情で



聞き取りやすい様ゆっくり話す





メイド






それに対しお母様は







表情を一切変えずこう言った








「車を用意しなさい」









「はい!」





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