桜の舞う世界









「そうねぇ……私は嫌いよ」








「お母様……」








「いえ、正しくは苦手ね。」






「なぜ、です?」







「昔から、お婆様は自分の子に厳しい方なの」









やっぱりお母様もそう思っていたのね








「礼儀作法だけでなく英才教育もトップレベルの教育をさせられたわ」






お母様の方がまだマシね…







「なのに一度も褒めてくれなかった」









「長年待ち続けたけれど今に至って
ようやく気づいたの」










「貴方のお婆様は完璧な人間を作っているだけだということを」







お母様……それは間違いです










「本当に……本当にそうなのでしようか」










「桜瑚、?」









「お婆様は確かに教育に関して厳しかったと
思います」








でも






「でも厳しくしていたのはお母様が将来仕事に就けるよう母親としてわざとしていたのではないですか?」






お母様と私の関係が人と変わって





しまっている原因が分かった気がする……











「お母様…は勘違いをしているのでは?」








そしてお婆様も………









二人の勘違いが重なりこんな状況に至ってしまった








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