桜の舞う世界








耳を澄ますたびその声は大きくなる









「おいで、早くおいで」








そして聞こえる距離も短くなる







「おいで〜おいで〜早く、早く、」







だんだんと強さを増す言葉に







「や、やだ……」







女の子は恐怖を感じていた







「はやく、はやく、おいで……」








女の子は怖さのあまり動けないでいた







だが聞こえてくる声はどんどん近づいてくる










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