【童話】てのひらに雨

おかあさんは、おしごとなの？

れいくんがきいた。

うん。
７時までかえってこないの。

じゃあ、おるすばん？

おるすばん……。


れいくんは、そっか、とつぶやいた。
それからちょっとかんがえた。


うちにおいでよ。
ゆうごはん、一緒に食べよ？
かえりも送るからさ。


れいくんはおじさんに、いいよね？ときいてから、またわたしにきいた。


おじさんはかまいませんよ～、っていったけど、わたしはママに電話しなくちゃっておもった。
でもれいくんはすごくって、わたしが電話のことをいうまえに、おかあさんに電話してね、って言ってくれた。


ママに電話したら、ママはちょっとしてから、わかったわ、って言った。


まどに水の粒がたくさんぶつかっている。
バツバツバツって音がうるさい。
かみなりもこわい。
それにこれから、れいくんのおうちに行くとおもったらドキドキがつづいたまんま。

でもかみなりがなるたびにれいくんが手をにぎってくれたからあんまりコワいっておもわなかった。