【童話】てのひらに雨
れいくんのおうちに来るのは2回目だったけど、あんまり大きいから、びっくりしちゃった。

前にプリントをわたしに来たとき、わたしはちいさな扉からはいったんだけど、おじさんが大きな門をあけたから、今日はそこから入った。

玄関まで行くとれいくんはわたしに言った。


すこし待ってて。
すぐ来るから。


おじさんもれいくんについていったから、わたしはひとりで外でまってた。

わたしはひまだったかられいくんのおうちのお庭をずっとみてた。

あの、カポンってなる竹のやつとか、大きないけとか、人みたいに腕がある木とか、ぶきみだけどおもしろそうなものがいっぱいあった。


しのちゃん、ごめんね。
さむくなかった?


玄関があいて、れいくんがでてきた。
れいくんはながそでにきがえてた。


ちょっとさむいかも。

ごめんね。
あ、ごはん6時くらいだから、それまでこっちでまってようよ。
こっちこっち!


ふたりで広いたたみのお部屋にいった。
そのへんにランドセルおいていいよ、って言われたからわたしは隅っこにおいた。

おじさんがお部屋にはいってきてテーブルにオレンジジュースをおいた。
のんでくださいね、って言われた。


れいくんのおうち、大きいね!
わたしのおうちとはおおちがいだよ!


ざぶとんの上に正座して、オレンジジュースをのんだ。

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