【童話】てのひらに雨
ごはんができるまで、ずっとふたりでおはなししてた。
学校のことはふたりとも知ってるから、おうちのこととかかぞくのことばっかり。

だけど、れいくんははなしをきくばっかりで、あんまりはなしてくれなかった。

もっとしりたいなとおもったから、れいくんにきこうとおもった。


だけど、ごはんのよういができましたよ、っておじさんがよびにきた。

だからなんにもきけないまんま、わたしとれいくんはごはんを食べるところに行った。


れいくんのおうちのごはんはたのしかった。
おむかえにきてくれたおじさんいがいにもいっぱいおじさんがいて、その中でも真っ黒なワイシャツ着てたおじさんはいちばん強そう。

その強そうなおじさんのとなりに座ってたおじさんはやさしそうで、わたしを見たらにっこり笑った。


いつもれいを家まで送ってくれてありがとう。


きゅうにおれいをされたからなんだかわからなかったけど、お父さんだよ、ってれいくんにしょうかいされた。

まえ、れいくんが、お父さんコワい、みたいなこといってたから、あの強そうなおじさんがお父さんなのかとおもってた。




ごはんを食べ終わると、もう7時になりそうだったから、もう少しでかえらなくちゃ、ってれいくんにはなした。
れいくんも、そうだねっておじさんをよびにいった。


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