ダントツ!!16番人気の翔馬くん finalステージ
『100円あればなぁ…馬券が1枚買えんだよっ!』


『えっ?』


『しかもその馬券が当たってみろ?100円が100円じゃなくなる…そう、下手すりゃ100万以上にも化けんだよっ!』


『あっ…』


人差し指を立て、一気にまくし立てる翔馬くんを見つめながらあたしは小さく声を漏らした。


しかし、あたしにはこうなった翔馬くんを止める術はなく…


『100円にはなぁ…そんなでっかい夢が詰まってんだよ、夢がっ!!お前、分かってんの?…まぁ分かってないから100円をバカにするようなこと言うんだろうけど…』


『あの…』


伸ばしかけた手を引っ込めながら小さく呟いた。

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