ダントツ!!16番人気の翔馬くん finalステージ
しょ、翔馬、くん…?


あたしは首を傾げながら、苦笑いを浮かべた。


『あの…翔…』


『お前は…』


へっ?


ふぅっとひとつ息を吐いた翔馬くんは、残念そうに首を横に振った。


『お前は…そんな大切な大切な100円をバカにした…』


『いや、バカには…』


『い~や!したっ!!』


突然、あたしをビシっと指差した翔馬くんは、ムクっと立ち上がった。


『だから…』


ちょっと、なに…?


あたしは翔馬くんを見上げながら口許を引き吊らせた。


『俺はお前とは別れるっ!!』


『はい?』


そして…


新聞と小銭とボーゼンとするあたしを残したまま、翔馬くんは屋上から去っていってしまった…。

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