ダントツ!!16番人気の翔馬くん finalステージ
『えっ…』


『嫌なら別に…』


『嫌じゃないっ!!』


あたしは上半身を起き上がらせると口許に両手をあてた。


そしてポロポロと零れ落ちる涙を拭うことなく、翔馬くんを見下ろした。


『翔馬くんが…翔馬くんがぁ…』


起き上がった翔馬くんは、あたしの頭をポンポンっと、優しく撫でると、あたしの頬に顔を寄せた。


『ひゃんっ!!』


そしてペロリと一舐めした後、チュッと軽いキスを落とした。


『姫花…』


『んっ?』


あたしは涙顔のまま、翔馬くんを見つめた。


するとあたしの濡れた頬を一撫でした翔馬くんは、ギュッとあたしを抱きしめた。

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