ダントツ!!16番人気の翔馬くん finalステージ
『あの…先生…』


『んっ?』


俺はケータイを握りしめたまま、川上さんを見た。


そして首を傾げると、


『先生って…』


『んっ?』


『彼女…』


『いるよ。』


クスっと笑みを向けた。


『でもって、日曜にプロポーズする予定…』


『そっか…』


あ…


俺は俯く川上さんを見つめながらふぅっと息を吐いた。


『あの…』


『ありがとう、先生。』


『へっ?』


『だから…』


『あぁ…』


俺はニコっと微笑みながら、川上さんの頭をクシャっと撫でた。


『こっちこそ、ほんとにありがとう。』


そして川上さんは、俺を見ることなく家庭科室から出て行った。

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