もう寂しくなんてない


 沙南と一緒に教室に行き、予鈴が鳴るまで私の席で喋っていると
 バタバタと足音が聞こえてきた。

 その足音は私たちのクラスの前で止まると、
ガラッと大きな音を立てて扉が開いたと思ったら…


「ひなっ、沙南っ!おはよっ!!」


 その人物が私たちの傍までやって来て、ハァハァと息を切らしながら挨拶をしてきた。


「あっ、朱莉!おはよう」

「おはよう朱莉。なに、遅刻ギリギリじゃん?」

 と、挨拶をしながら沙南はニヤニヤと言っていた。


「そーなんだよねぇ。昨日遅くまで彼氏と電話してたから、寝坊しちゃって…」

 苦笑いしながらそう言った彼女は、私のもう一人の友だちの南條 朱莉(なんじょう あかり)。


 朱莉も1年の時から同じクラスで、よく3人で一緒に居るの。3人の中で唯一ラブラブな彼氏持ち。なんだけどね、結構ミーハーで合コン好きだったり…。
 私と同じで朱莉も部活には入ってないの。その代わり、放課後は彼氏とデートやら合コンやらで忙しいみたい。


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