『ずっとまってるよ』
もう、あれから9年たった。
小学3年生だったわたしは高校3年生になって、今日その高校も卒業した。

今でも君を待ってるなんて言ったら笑う?

きっと笑うでしょ?

「なにしてんの?行くよ」

友だちの声がする。

「ごめん!ちょっと考え事してた!」

なにしてんのよ!って友だちが笑う。


わたしは待ってる。

例え、10年たったって、20年たったって、おばあちゃんになったって、

わたしはずっと君を、

「…!」

君しか呼ばないはずのわたしの呼び方が聞こえた気がした。

わたしは思わず振り返る。
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