鬼上司は秘密の恋人!?
 
手を伸ばし、頬に触れた。

「熱い」

石月さんは私の頬をふにっとつまんで、眉をひそめる。

「あ、本当に大丈夫なので……」

そう言う私の肩を抱くと、面倒くさそうに舌打ちをした。

「徳永、悪い。こいつ連れて帰る」

そう言った石月さんに、慌てて首を横に振った。

「そんな、ひとりで帰れますから……!」
「いいから。無理すんなバカ」

ぴしゃりと叱られ、瞬きをする。
無理、しなくていいんだと思うと、急に気が抜けた。
足に力が入らなくなって、かくんとその場に崩れ落ちた。




 

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