鬼上司は秘密の恋人!?
「明日は休みだから、一緒に猫のゲージとかおもちゃとか買いに行くか」
そう言った石月さんに、祐一は猫を凝視したまま何度も頷いた。
嬉しくてたまらない。
顔にそう書いてある。
「よかったね、祐一。石月さん、ありがとうございます」
嬉しそうな祐一の横顔を見ながら、石月さんにお礼を言う。
「遅くなったけど、祐一の誕生日プレゼント」
「誕生日プレゼント?」
誕生日は温泉に連れて行ってもらったのに。
と首を傾げていると、石月さんは祐一に向かって優しく笑う。
「誕生日に、家族が欲しいって言ってたもんな」
「トーゴ、おぼえてたの!?」
石月さんの言葉に、祐一は顔を輝かす。
「そんな無茶ぶり、忘れねぇよ」
石月さんはそう言って笑いながら、猫の入ったダンボールをそっと祐一に手渡す。
「ゆっくり運べよ」
「うんっ!」
祐一は勢い良く頷くと、小さな体でダンボールを抱え、慎重な足取りでリビングへと向かう。
「新しい家族の名前、考えてやらねぇとな」
石月さんは祐一の後姿を眺めながら、そう言って笑った。
そしてこちらに視線を移す。