鬼上司は秘密の恋人!?
「でも、ここは石月さんのおうちだから、勝手に餌付けしちゃだめだよ」
「どうして?」
真ん丸な瞳できょとんと見上げられ、私は少し考えて、口を開く。
「私達がここにいられるのは、今だけだからだよ」
「そっかぁ」
祐一は大人びた口調でそう言って、また足をぶらぶらと揺らす。
「じゃあ、つぎのなつまでいられる?」
「それは、どうだろうね」
今の季節は秋だった。来年の夏まで一年近くここでお世話になるわけにはいかないだろう。
「なつになったら、おにわではなびしたり、テントをたててキャンプごっこしたりしたかったのになぁ」
その言葉に目を伏せた。
「お庭でキャンプごっこは無理だけど、公園とか川岸でなら花火させてあげるからね」
私がそう言うと、祐一はこちらを振り返り「うん!」と大きく頷いた。