鬼上司は秘密の恋人!?
「大根の菜っ葉を刻んでお味噌汁に入れても美味しいし、刻んでごま油と醤油で香ばしく炒めれば常備菜になるし、お漬物にもできます」
「ぼくはねー、はっぱもすきだけど、だいこんのステーキがすきー」
「大根のステーキ?」
「多めのバターで焼いて醤油を垂らすと美味しいんですよ」
首を傾げる石月さんにそう言うと、隣で祐一が飛び跳ねた。
「そう。だいこんをかんだら、お口のなかにじゅわーってしるがでてね! すごくおいしいの」
祐一はじゅわーっ! と両手を大きく広げ、顔を輝かせる。
「上に鰹節をちらしてもいいし、わさび醤油で食べても美味しいです」
すると突然石月さんが立ち上がった。
「お前がそんなことを言うから、無性に大根食べたくなった」
祐一とふたりで並んで彼を見上げていると、「コンビニ行くぞ」と言い放った。
「コンビニに大根なんて売ってますか?」
きょとんと首を傾げると、「おでんの大根ならあんだろ」と財布をポケットに突っ込む。
その様子を祐一がそわそわしながら見ていた。
祐一の表情に気づいた石月さんが、「お前もいくか?」とにやりと笑う。
「いく!!」
間髪入れずに叫んだ祐一に、慌てて私は首を横に振った。
「こんな時間にコンビニなんてダメだよ」