こんなに好きなのに



「しんどい…」


あれから夜は母さんの愚痴に付き合わされて…結局、俺と夕菜が寝たのは夜中3時。それで遅刻。


最悪や。今日は朝早く行ってほのちゃんに聞こうと思ってたのに。


「はぁ…今日は翔と学校行こうと思ってたのに。どうして私の隣には夕陽なの?」


「俺やってほのちゃんと行きたいわ。」


「はぁ…」


「ため息つくな!」


「………あんた本当に穂香が好きなんだよね?」


夕菜の顔が真剣になった…夕菜は本間にほのちゃんが大事やねんな。
だから俺みたいな…彼方さんに似てる奴がほのちゃんに近付くのが嫌みたいや。
でも…


「本間に好きやで。俺はほのちゃん一筋や。」


「なら良かった。自分の弟ながらあんたはカッコ良くて頭もいいから…女の子と遊んでるんじゃないかって心配だったけど。あんたなら穂香をかえれるかもね。」


「……おおきに」


なんか今日はいい事ありそうや。
夕菜にこんな事言われるなんか珍しいからな。



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