こんなに好きなのに



「夕菜!夕っ!喧嘩やめろ!」


「え?って翔!」


「本間や…翔君」


翔君の怒鳴り声に驚いて…俺らの喧嘩は一旦終了。


「二人とも穂香が困ってんだろ?」


「本間や!ほのちゃんごめんな…?」


俺は急いでほのちゃんの顔をみる…でも何が何だかわからんって顔してる。


「穂香ごめん!」


「もぅなにが何だかわかんないよ!」


俺の予感的中!
って…ちゃんと説明しやなな。

「ほのちゃん…あの…」


俺が説明しようとしたところを…夕菜がとめた。
また…でも夕菜の顔は自分が言いたいって顔してたから、おとなしく譲った。


「…ごめん。穂香。私、翔と付き合ってるんだ…でも穂香、翔が好きだったんだよね?なのに…私が」


あっ!
忘れてた…そんな話、昨日してたわ。でも…たぶんさっきの話の流れから…


「えーっ!?二人って付き合ってるの?」


やっぱり、じゃぁ…


「え?知らなかったの…」


「うん…」


「けど…前に見たって…」


「あれは………お…おじくんと…」


なぁ…うぬぼれていい?


「は?違うよ!私と夕陽は…」


「言ったから…」


「言ったの?……はぁ。弟なんだよ。夕陽は。」


「ほんと…に?」


「うん。」


「よかったぁ〜」


「何が良かったん?」


解ってるけど、ちょっと意地悪…それぐらいいいよな?


「だって…私……大路君と夕菜は付き合ってると思っきゃっ!」


そぅ言ったほのちゃんが可愛くて…俺はまたきつく抱き締めた。


「それって…」


「夕陽!あんた!」


夕菜が何か言ってるけど…そんなん聞こえへん。


「…それって…俺…期待してもいいん?」


「っ!」


「ほのちゃんが俺の事すきって…期待してもいいん?自惚れてもいいん?」


ううんー。
こんな回りくどい言い方してるけど…確信してるで?
ほのちゃんが俺をスキって…


「っ…」




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