こんなに好きなのに


女の子の噂話なんてすぐに回る。あっ!というまに…学校全体に渡ってた。
早くない…?


色んな人が私を見に来る。
皆、前にだって見に来てたじゃない?!


“王子の好きな子”って…今じゃ“王子の彼女”って見に来る。
前に来たんだからいいんじゃないの…?


「はぁ…」


「ため息とかどうしたん?」


「…何でもないよ。」


大路君とお昼を食べる。
これは昨日、約束した。
“彼氏と彼女は一緒にお昼を食べる”って決まってるんだって。


「それにしても…どうして学校中に知れ渡ってるんだろ?」


「何が?」


「私と…大路君がつき合ってるって…」


だんだん声が小さくなる。だって自分で言うのってなんだか恥ずかしいんだもん。



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