こんなに好きなのに
「行くで…」
「うっ…うん」
私は大路君に手をひかれ…その場を去った。
「ほのちゃん殴られてない?何か言われた?」
「大丈夫だよ?殴られそうな時に大路君が来てくれたし…」
「そぅか…なら良かったわ!俺、ほのちゃんが生徒会室に来やんから心配で…探したらあそこにおったから…」
「ありがとう。」
いつもの大路君だ。
優しくて…心配性で。
「ほのちゃん…ごめんな?」
「ん?」
「俺のせいで…」
「どうして?そんな…大路君のせいじゃないよ。」
「俺…ほのちゃんだけやから…俺が好きなんはほのちゃんしかあり得へんから…信じてな?」
「うん。」
…そぅ。大路君のせいなんかじゃないんだ。
私が悪いの…今まで大路君とは付き合わないとか、あり得ないとか、さんざん言ってきたのに…
急に付き合ったりしたから。
それに…私が夕菜みたいに美人じゃないし…可愛くもないから。
私が悪いんだよ…だから大路君はそんな悲しそうな顔しないで…