こんなに好きなのに


バチッ


「痛っ!」


頭を叩かれて…上を見ると翔の顔。
いつの間に部屋に入って来てたんだろ?


「聞いてただろ?」


「…………」


「その顔やめろ…」


「だって…」


「あー泣くだろ?ほら、泣け泣け…」


私は翔の胸に顔を埋めた。


「だっ………みん…なっわたし…みとめっ…ないっ、て」


「うん…」


「わたし…順…っちょ……だっ…て…っなの…に」


「お前はちゃんと出来てた。皆、お前に嫉妬してるだけだ。な?」


「違っ!違うよっっ!!わた…しが…ダメなんだ…」


そぅだ…私がダメだから…いつも泣いて翔に甘えて…だからダメなんだ。
私が…ダメなんだ。
泣き止め泣き止めーっ!
いつも翔に迷惑かけてばかりじゃいけない…


「っ!私は第100代生徒会会長…姫島穂香…必ず先代に恥じない会長としての行動をとり、無事体育祭を成功させるっ!」


「……ははっ。お前の強情さには負けるよ。…お前が納得するまでがんばれ。それで、もし限界がきたら俺に言え。それまでは何も手出ししないから…」


「うん!ありがとっ!」


私は自分だけが傷付いてる気でいたんだ…でも、本当は周りの皆を傷付けて…迷惑かけて…最低だったんだ。



< 128 / 270 >

この作品をシェア

pagetop