こんなに好きなのに
「お前も気にしなくていいから。早く他の団に知らせろ。今日の練習は中止。さっさと帰宅しろって…」
翔君が吉崎さんに言った…何でなん?こいつが…
「…う…ん…」
「あと、嘉香探して放送流させて。」
「…わかっ……た……」
吉崎さんは走って行った…でも、俺の怒りは収まらんくて…翔君に怒鳴ってしもた…
「何でなん?!あいつが悪いねんでっ!あいつが…」
「お前はおちつけっ!誰も悪くない。吉崎は前を見てなかった。だから、あいつらにぶつかった。それを穂香がかばった。それでいいんだよ。」
「…………」
「そぅじゃねえと…穂香だって、誰かを責めたい訳じゃないから。」
「……うん。」
翔君はやっぱり大人や。
それにほのちゃんの事をよくわかってる…悔しいけど。
「早く…救急車…」
それから、救急車はすぐに来て…ほのちゃんを乗せて行った。俺も一緒に行きたかったけど…先生がついて行ったから、行かれへんかった。だから俺は学校で連絡を待つことにした…
外は夕日で真っ赤に染まってた…ほのちゃん大丈夫なん?
俺、なんで助けられへんかったんやろ…なんで俺には相談してくれへんのやろ…
ほのちゃんの事になると、周りが見えんくなって…ほのちゃんばっかに必死になってしまう。
「俺…カッコ悪……」
俺の声が誰もおらん生徒会室に響いた…