こんなに好きなのに


「大丈夫?」


「うん…」


「めっちゃ心配やってん。どこ行ってたん?」


「お父さんとお母さんの見送り…ってか中に入ろ?」


「うん。」


俺は部屋の前…廊下でほのちゃんに抱きついてた。
だからほのちゃんは恥ずかったみたい。
部屋に入りベッドに座る。


「どうやったん?」


「頭を強く打ったらから検索してたんだ。でも大丈夫だって!心配ないよ。」


「切れてたん?」


「ちょっとね…」


「足は?」


「軽い打撲。折れてないよ!だから体育祭も出れるし。」


「………」


「…大路君?」


「なんでなん?」


「え?」


「なんでそんな笑ってるん?!なんでそんな平気な顔するん?…痛かったやろ…?辛かったやろ?…ちょっとは頼ってぇや。俺、彼氏やろ……?」


こんなん言ったらあかんって分かってた…でも、言わずにおれんかった。痛々しいほのちゃんの姿に…無理した笑顔。
そんなん見たくないから……


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