こんなに好きなのに
Act:5
引退
すごい盛り上がりを魅せた体育祭が終わり、すぐに文化祭がやってきた。
文化祭では三年生が劇をし二年生は食品バザー、一年生がイベントと体育祭に負けず劣らず盛り上がりをみせた。
文化祭の終わりと同時に私の生徒会長の終わりもきた。
「明日で終わりかぁ〜。終わりと思うと…何だか寂しいね。翔。」
生徒会室にいるのは私と翔だけ。三年生だけが学校が休みだった。でも明日、引退だから会議の為に学校に来た。でも早く来すぎたみたいで…時間を潰してる。
「だな…でも、もう9月だし…おれらも受験生だな。」
受験生か…
「翔はどうするの?」
「俺?俺は…W大狙ってる。」
「W大?!国公立じゃん。さすが翔だね〜!」
「俺よりお前のが頭いいじゃん。どうすんの?穂香は…」
「……私は…知ってるでしょ?家の事情。」
「あぁー。おじさん?」
「そぅ。お父さんが……はぁ。」
「どうすんの?夕だっているじゃん。」
「だよね…どうしよ。」
「ほのちゃんーっ!!」
バタンっと大きな音をたてて部屋に入ってきた大路君。
「お疲れ様…どうだった?」
一・二年生は実力テストだった。
「ばっちり!一位に決まってるやん。」
「そっか!」
大路君にも言わなくちゃいけないんだよね……