こんなに好きなのに



「穂香!」


「お父さん、どうしたの?」


「たまには二人で夜ご飯食べたいなって思って…」


「母さんは?」


「いいって…だから行くぞ?」


「うん。」


お父さんにつれてこられたのは、イタリアン。
二人で向かい合わせに座る。


「穂香…卒業後の進路だけど…」


やっぱり!
その話すると思った。


「なに?」


「約束…覚えてるよな?」


「うん。覚えてる!心配しないで。お父さんについていくから。ね?」


「ありがとう…」


ついていく…うん。
だって約束だもん。
破れないよ…ごめんね、大路君…同じ大学には行けない。



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