こんなに好きなのに



「………」


携帯とにらめっこ。
麻果に電話するべきなのかな…でも。


「よし!」


プルルルル
プルルルル



………出ない。きろ…


「穂香!!」


「麻果………どうしたの?お母さんに聞いたよ。」


「………お母さんって呼んでるんだ…」


「………そんな事言う為に電話したの?」


「ちがっ……」


「じゃぁ、どうしたの?」


「生まれたよ…赤ちゃん。」


「本当に…?」


「うん!女の子だった…名前はね麻穂にしたから…」


「そっか…おめでとう!」


「ありがとう…じゃぁ、それだけだから。ばいばい。」


「……麻果頑張ってね?」


「うん。」


生まれたんだ…。
麻果の赤ちゃん。
見てみたいな…麻果と光太君の赤ちゃん………


なんて、思ってもそれは叶わない…私達はどれだけ願っても会えないから。



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