こんなに好きなのに
「ほのちゃん手繋いでどっかに連れて行こうとするとか…積極的やねんな。」
「違うわよっ!いいから黙って。」
「………」
私がその子を連れて来た場所は…………
「先生にもぅ推薦してくれるん?」
「違う!」
職員室。
「失礼します。生徒会顧問の市岡先生はいらっしゃいますか?」
「はーいって。よぉ!姫島じゃないか!」
市岡先生は生徒会の顧問でとても気さくな先生。まだ年も若くて、私たちの事をよく理解してくれる。
「あの…今年トップで合格した生徒の話なんですが。」
「あぁ〜30年ぶりに姫島が歴代の先輩の成績を越えたと思ったら、次は二年後一瞬だったな。」
「はい…でその子って」
「!大路じゃないか。お前、生徒会に入る気になってくれたのか?」
先生は私の後ろの大路君の存在に気付き嬉しそうな声を弾ました。
「はい。姫島先輩が会長なら僕も生徒会に入ってみたいと思いまして。いいでしょうか?市岡先生。」
敬語に標準語。
こいつ猫かぶってる!
「いいに決まってるだろ?お前が生徒会に入ってくれればこの学院の生徒会は先二年は安泰だよ。」
は?え?
「ありがとうございます。では、先生よろしくお願いします。」
「先生!私は…」
「よかったな。姫島!」
う゛っ!
先生の笑顔に勝てる生徒がいないの知ってるでしょ?
「はい…」