こんなに好きなのに
「………あ!今日ね、ここら辺で食事会があったの。だから着物なんだ………」
「そうなんや。めっちゃ綺麗。」
「…ありがと。」
綺麗なんて照れるな、やっぱり。
「…何か隠してる?」
「どうして?」
「秋休みぐらいから…変やから。」
「何も隠してないよ?」
「だったら………」
「穂香っ!!」
「…………」
この声………
「誰ですか?」
大路君が低い声で相手に言う…
「お前こそ誰だ?穂香を離せ…」
「………無理や。」
「どうして?」
「ほのちゃんが嫌そうにしてるから!」
「………」
「穂香、早く来なさい…」
「ほのちゃん?」
何も言えない………だって………私は………
「お父さん……私は………」
「ほのちゃんのお父さん?」
「穂香!!我が儘を言うな!早く帰るぞ!」
そぅ言って私の手を引っ張り……むりやり連れて歩く。