こんなに好きなのに



それから、私は大路君の家にあがらせてもらった。


「……家族は?」


「俺、今一人暮らしやねん。」


「そうなんだ……」


「……指輪…なんでしてくれへんの?」


「………」


言えない。結婚相手と食事してたからだなんて…


「さっきのお父さんの事といい…全部話して?」


「…………嫌いにならない?」


「え…?」


「言っても嫌いにならない?」


「…………」


「…………」


どうして何も言ってくれないの?もしかして…もぅ私なんか嫌い?


「………ほのちゃんはわかってなさすぎやねん。俺がどれだけほのちゃんを好きか。俺が…いっつもどれだけ不安か。」


「………」


< 186 / 270 >

この作品をシェア

pagetop