こんなに好きなのに
「私は…この人が好きなの…大路君が…好きなの!気持ちなんて直ぐかわるってわかってる。だけど…大路君の言葉は信じたいの!誰よりも信じたいの…わかってよ…………」
「…………」
「お父さん…私からもお願いします。穂香を好きなようにさせてあげて?」
「………麻果。」
「あの時、私がいい加減だったから…私がきちんと長女の役目を果たさなかったからってわかってる。でも……穂香にも幸せになってもらいたい…好きな人と暮らすことが…一緒にいることがどれだけ幸せか知って欲しいの、」
「お義父さん…僕からもお願いします。」
信一さん…
「………僕は穂香さんを必ず幸せにします。」
大路君…
「……………」
緊迫した空気の中、お父さんが口を開いた。
「………お前達は…また俺を捨てるのか?」