こんなに好きなのに



「…………過労ですか?」


「はい…働きすぎですね。二、三日安静にしてて下さい。」


「はぁ………」


過労?


「良かったぁ〜」


「本当…………」


お父さんの病室に行く…お父さんは元気そうにベッドに座っていた。


「………ばかっ!!倒れるまで働かないでよっ!心配したんだよ…っ…」


「穂香………」


「ばかぁ…っ……」


「ごめんな、心配させて…麻果。」


「はいっ!」


「麻果にも心配かけたな…それに長い間すまなかった。………母さんに似てきたな…母親の顔になってる。」


「お父さん……私こそごめんなさい。お父さんが私の事考えてくれてるのわかってた…だけど、信一が好きだから…信一と生きていきたいの………」


「うん。父さんが悪かった…信一君の事…悪くいってすまなかった。」


「お父さん………」


「私達、お父さんの事大好きなんだよ?…だから置いてくとかさみしい事言わないで…ずっと家族なんだからっ!私達は………」


「そうだな…………すまなかった。父さんも寂しかったんだ…お前達が大人になってくから…だからって結婚相手まで父さんが決めたらダメだよな…本当にすまなかった。」


「お父さん…っ!」


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