こんなに好きなのに



「穂香、久しぶり!」


「夕菜!一ヶ月ぶりぐらいだね。」


「うん。」


別れてからの生活は変わらなかった。三年生は二月に学校がほとんどなく学校に行かなかったからだろう。
嘉香からは私たちが別れたってすごい噂になってたとは聞いたけど…一ヶ月もしたらおさまっていた。


「………明後日だね、アメリカ。」


「うん。」


「しゃべれるの?」


「まぁまぁかな…でも日常会話ぐらいだったら大丈夫!」


「そっか…寂しくなるな。穂香に四年も会えないなんて。」


「私も夕菜に会えないなんて…寂しいや。」


「……お互い頑張ろうね?」


「うん!じゃぁ、私は翔の答辞手伝ってくるから。」


「うん。翔よろしく!じゃあね。」


…夕菜は私たちが別れたことを何も聞かなかった。
聞かなくてもわかったんだと思う……


「まだまだだな…私。」


皆に気づかれないように…心配かけないようにしてたけど…結局、皆に心配ばっかりかけて…


「………」


でも、一ヶ月たって落ち着いたし気持ちの整理も出来た。それに明後日はアメリカに行く。前に進むしかないんだ。


「よしっ!!頑張ろう。」



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