こんなに好きなのに
「穂香先輩!どこいってたんですか?」
「ん?トイレだよ。」
「そうですか……先輩、今日の夜は空いてますか?」
「今日は明日に備えて準備があるんだ…」
「そうなんですか…残念です。先輩のお別れ会したかったのに…っ…アメ、…リカでも……がんばって………くだ……ざい」
「嘉香…泣かないで………四年したら……っ……もどっ………」
「嘉香も穂香も泣くなよ…」
「だって〜翔せんぱ…いは……いつでも、あえる……けど、穂香…先輩は、」
「嘉香、元気でね?いい恋してね……?相談もしてきて……いいんだよ?」
「……はい………先輩………」
まさか嘉香に泣かされるとは思ってもなかった…涙堪えてたのにな…。
「じゃぁね………」
「先輩………」
「ん?」
「王子なんですけど……」
「………その話は…」
「王子は穂香先輩をかばってました。ほのちゃんのせいじゃない俺が悪いんだって……だから、」
「………嘉香、元気でね?」
「………先輩こそ体に気をつけて下さい。」
「うん!」
私はそれだけ言うと学校を出た。