こんなに好きなのに
大路君は黙々と資料をまとめてくれてる。
何だかんだ言って結局は大路君に助けられてる。
「ほのちゃん終わった?」
「うん。大路君は?」
「終わったで。疲れたわぁ。」
「ごめんね。結局、報告書とかも手伝わしちゃって…」
「ええよ。俺、ほのちゃんの役にたてたんやったら、いつでもこんなんやるし。」
「ありがとう」
いっつも、そんな事を誰にでも言って…本当に王子なんだから。
調子良すぎるんだよ。
「ほのちゃん?」
「じゃぁ、帰ろっか?」
「ほのちゃん!」
「早く…行くよ」
「ほのちゃん!こっち向いて!」
「嫌……」
「ほのちゃんっ」
「やっ!やめてっ!」
パチンッ
「ほのちゃん…?」
私は大路君の手を振り払った。