こんなに好きなのに



教室に入る…。


「王子…雑誌見ました…サイン下さいっ!」


「王子、お久しぶりです!」


「…久しぶり、ごめんやけど俺、疲れてるから。」


そぅ言ったら周りにおった女の子らは黙った。


雑誌でたんや…てか、王子ってまだ言ってたんや。
俺のどこが王子やねんやろ…


「…………」


そんなしょうもないことを考えながら、俺の頭の中はほのちゃんを無視した…ほのちゃんを傷つけた。その事だけが俺の頭の中をしめてた。


「……………」


机に伏してると…また教室が煩くなった。


「姫だ…」


「可愛いよな、」


「姫が来るなんて初めてじゃん。」


…姫?ってほのちゃん?
でも俺は机から顔を離さず周りの声だけを聞いてた。



< 252 / 270 >

この作品をシェア

pagetop