こんなに好きなのに
つれてこられたのは生徒会室の奥にある会長室。
「………話ってなに?」
「雑誌…見たよ。モデルの仕事なんてしてたんだ…」
そんなしょうもない事…どうでもいい。
「……うん。ちょっと夕菜について…」
「そうなんだ…言って欲しかったな……」
「…別にいいかなって思って。」
「そっか…」
いっつも目を合わせて話すけど合わされへん。
ほのちゃんの目を見られへん。気まずい空気の中、ほのちゃんが口を開いた。
「私ね…アメリカには行かないよ。やっぱり日本でT大に行くことにしたんだ!」
明るい口調…。無理してる。ほんまは家族と一緒にアメリカに行きたいはずや。俺が無理させてる…俺が……
「………」
「昨日、お父さんにも言ったし…納得してくれたんだ。だから…私はずっと大路君と一緒だよ!」
ほのちゃんに無理させたらあかん…ほのちゃんには…
「………何それ?ほのちゃん重いわ。」
ほんまにやりたい事をやって欲しい。
「…え?」
「俺の為って…束縛?」
だから、その為やったらどんな事でも言える。
「ちっ…ちがっ…」
「ほのちゃん自分勝手やわ。俺の為とか言ってほんまは日本おりたいんやろ?それを俺の為とか言って…重たいし、束縛やん。」
「ち…ちがう…本当に違うの!」
わかってるよ。俺のために日本にいてくれる…とかほんまはめっちゃ嬉しいねんで?でもな…