こんなに好きなのに




「っ!」


俺は財布と携帯を持って家をでた…


「夕陽っ!どこ行くの?」


「ほのちゃんとこっ!!」


急いでほのちゃんの家まで行った…直接会って言いたい。おれも好き…だから四年待ってるって…


「急げ、ばか。」


…………ほのちゃん。


「え?」


ほのちゃんの家につくと…誰もおらんかった。もしかして出掛けた?


「…………」


家の前にいると…近所のおばちゃんが話しかけてきた。


「姫島さんのお宅に何かご用?」


「はい…」


「姫島さんならアメリカに行きましたよ。」


アメリカ?


「明日じゃ…」


「いいえ、今日よ。お嬢さんの卒業式が終わってそのまま出発するっておっしゃってたわよ。」


………うそやろ?
卒業式が終わったんは今から五時間前…もしかしたら…いや、まだ大丈夫や!


「ありがとうございました!」


俺はお礼を言って急いでタクシーをつかまえて乗った。



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