こんなに好きなのに


私はただずっと翔の話を聞いていた。
翔、会議進めるの上手くなったなぁ…なんて思ってると話は最後の課題に入ってた。


「最後に団長補佐についてですが…」


そぅ言った瞬間に挙げられた手。


「夕どうした?」


「俺、やりたいです。」


「はぁ?」


?!
私は驚いて声が出ない。


「俺、やりたい。だからやらせて下さい。お願いします!」


そぅ言って頭を下げる…でも


「まだ無理よ。」


「ほの先輩…」


「あなたはまだ生徒会に入って日が浅いし体育祭は初めての行事。それに団長補佐は毎年、2年生にやってもらうから。」


「……俺はそれでもやりたいです。」


「………」


どっちも引かない…


「ほの先輩…私達はいいですよ。そんなの…」


「ダメよ。それにまだ…」


大路君には重荷だし…無理だと思うから。


「……今日の会議は終わりっ!」


「え?翔……?」


「こんなんじゃ何時までも終わらないから。それにもぅ6時間目にも入ってるし団長会議の準備だっているだろ?今、おまえら二人に使ってる時間はあんまりない。だから終わり!明日までにお互い頭冷やして考えて来い!」


翔の意見が正論。
今は団長会議の準備をしないと…


「そうだね。ごめん…じゃぁHRには間に合うから皆、早く戻って。大路君は後で話しましょ?翔は残って。団長会議の準備するから…」


「はい!じゃぁ、また後でです。ほの先輩♪」


「失礼します。」


2年生コンビは教室に戻る。大路君は戻らない…



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