こんなに好きなのに
「何で?俺やったらアカンの?ほのちゃん…俺ちゃんとやるで?」
「……」
わかってる。大路君が途中で放棄したり、いい加減な事をしないってわかってる。だけど………
「大路君には今まで私の仕事を手伝わせすぎちゃったね。ありがとう。でも、手伝ったらいけない仕事だってあるんだよ?だから…今回は…………」
「穂香!準備すんぞ…」
「うん。じゃぁね…」
私は会長室へと向かう。
「っ!離して……」
「待って…俺ほのちゃんの役にたちたいだけやねん。だから今回もやらせてぇや…」
「……今回だけは駄目…」
どんっ
力一杯、大路君を押して私は急いで会長室に入った。あんな切ない声…聞きたくない。
だって、こんなにも耳が熱くなるから…