こんなに好きなのに



次の日、学校を初めてサボった…それでK高に忍び込んだ。


「穂香、制服似合ってるじゃん!」


「ありがとぅ…」


K高に入ると…女の子がたくさんあた。


「きゃぁぁっ!」


「かっこいい!」


「本当、王子だよ」


「……何だろ?見に行こ!」


「うん。」


何だろ…この胸騒ぎわ。
嫌な気がするんだ。


夕菜は私を引っ張って女の子を掻き分けてどんどん進んでいく。
やっと最前列に出れた。


「…………っ!」


そこには…女の子に囲まれて笑ってる彼方がいたんだ。


「かな…た?」


彼方は私に気付かない。
だから毎日、私服だったんだ。じゃぁ、どうして私に隠してたの?


「彼方っ!」


ひときわ高い声。
その先には…可愛い女の人。


「由紀乃おはよ!」


彼方はいつも私に向ける笑顔で“由紀乃”の所に行ってキスした。


あぁ…そっか。
私は遊ばれてたんだ。


「彼方先輩まぢカッコいい!」


彼方…先輩?


「椿彼方って何歳なの?!」


夕菜ちゃんが近くにいた女の子に聞き出す。


「っ!なんなの!?」


「いいから教えて!」


その子は夕菜ちゃんの迫力に負けて話し出す。


「彼方先輩は今は1年だけど本当は2年なんだ。由紀乃さんに惚れて花ノ咲学院からこっち受け直したんだ。だから今は1年だけど…頭いいからたぶん2学期からは2年に移るって噂だよ」


「…………」


「穂香…?」


「帰ろ…夕菜…は…やく」


「うん。」


その日は真っ直ぐ家に帰った。何も喋らないまま。
帰った。



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