こんなに好きなのに

「王子が姫といる。可愛いお似合い」


「いつもの事じゃん。」

周りに人が集まってくる。そりゃぁそうだ。ここは廊下だから。

てか！
誰が姫よ。誰がっ！
それもこれも全部こいつのせいっ！


「離さないと…今日の生徒会で居残りだからっ！」


「ほのちゃんと一緒やったら居残りがいいわ。」


「っ！私はほのちゃんじゃないし！姫島先輩って呼んでって言ってるでしょ！」


「姫先輩？」


「違うっ！早く離してよっ！大路君っ！」


「ちっ！」


今、舌打ちした？！


「大路君が悪いんだからね！どこででも抱き着くから…」


言ってて何だか恥ずかしくなってきた。


「ほのちゃん照れて可愛いなぁ。」


「照れてないから！早く教室に戻りなさいっ。授業始まるわよ。」


私は大路君を１年の校舎に続く廊下まで押していく。
このままここにいたら、もっと人が集まってくるし授業が始まってしまうから。