こんなに好きなのに




「王子はほの先輩としか一緒にいません。他の女子とは全然一緒にいないんですよ。知ってましたか?」


「うそ…」


絶対うそだ。
だって毎朝…


「毎朝、女の子に囲まれてるのだってすっごく嫌そうにしてます。」


「うそだ…」


「いっつも告白されたら言ってます。ほのちゃんが好きだからゴメンって。」


「…っ!」


うそでしょ?
だってー


「先輩。正直に言います。先輩は彼方さんを引きずりすぎて、目の前にいる王子を見ようとしなさすぎです。だからー」


「っ!」


「素直にならないと…」


そぅ言って嘉香は生徒会室から出て行った。


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