こんなに好きなのに


「ねぇ…夕菜」


「ん?」


「昨日、学校きた?」


「来てないよ。昨日はずって仕事だったし。」


どうして嘘つくの?
私服で来てたじゃない…


「じゃぁ、彼氏出来た…?」


「え…あぁ…うん。本人から聞いたの?」


…やっぱり。大路君と付き合ってるんだ。


「ううん…見ちゃったんだ…」


「そぅなんだ。」


「言ってくれたら良かったのに!」


私は出来る限り明るく言う…そぅじゃないと涙が溢れてきそうだったから。


「だって今まであんまり仲良くなかったし話したりしてなかったでしょ?だから…恥ずかしくて。穂香なかいいし。」


「そんなに仲良くないよ…あ!私、先生に呼ばれてたんだった。ごめん…行くね?」


「うん。」


夕菜に嘘をついて私は会長実に入る。


「っ…うっ…」


恋ってこんなに辛かったの?好きになったらこんなに…辛いの?
だったら好きにならない方が良かった。


友達の幸せを願わないといけないのに…どうして私はこんなに最低なんだろ。
夕菜と大路君…すっごくお似合いなのに…別れたら…なんて考えてしまう。
私は最低だよ。



< 76 / 270 >

この作品をシェア

pagetop