こんなに好きなのに



「穂香ってば愛されてて羨ましいっ!あんなに愛されてるのにどうして王子と付き合わないの?」


どうしてって…


「私は好きじゃないもん。」


「贅沢ーっ!穂香ってば理想高すぎなんじゃないの?!」


「そんな事ないよ…」


「そこっ!静かにしなさいっ!」


「はーい」


先生に注意されて皆、黙る…。


私は大路君の話をされるのが嫌だ。だって皆、同じ事しか言わないから。
『どうして付き合わないの?』『理想高すぎ』
ばっかり…。これはまだいい方。


中には
『ブスが王子に遊ばれていい気になってる』
『王子ふるとか何様?』
とかだっている。


そんな事を言われたって…私はどうしようも出来ない。私は大路君を好きじゃないんだから。


だから今は、大路君が私に飽きるのを待ってるだけ…




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