もう一度届きますように。
ツバサはずっと待ってくれると
そう言った。

彼女と別れた、
いまはキヨだけが好き、
ずっと待ってるから。

ツバサの言葉を
繰り返す。

レンは応援してくれると言った。
ユウさんも正直になれって言った。


だけど私はその手を伸ばす自信がなかった。
ステージで見たツバサ。
私なんかといていいのだろうか。

初めてステージに立つツバサを
客席から見た時
私はツバサが遠い存在に感じた。

手を伸ばしても
届かないんじゃないか。

そう思ってしまった。
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