もう一度届きますように。
目の前がぐるぐるして気持ち悪い。

目を閉じて深呼吸をする。
冷や汗がすごい。

落ち着け、落ち着けと心の中で繰り返し
呼吸を整える。

〜♪
携帯の着信音が鳴る。
手探りで携帯をつかみ電話に出る。


《あ、キヨ?お前最近まともに飯食ってないだろ。今作ってやるから来い。》
ユウさんは笑いながら
電話越しに大きな声で言った。


『ユウさん…ごめん調子悪くて
行けないかも…。』
話してるのでさえ辛くなり
そのまま床に倒れこむ。

《おい、キヨ?キヨ!》

ユウさんの声に応える気力もないまま
そこで私の記憶は途絶えた。
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