もう一度届きますように。
目をゆっくりあけると
見知らぬ風景があった。

左手が重いとふと見ると
ユウさんが突っ伏して寝ていた。

手には点滴が繋がれていた。
起き上がろうと手を引くと
ユウさんがそれに気づいた。

『んっ…キヨ…?起きたのか…?』

ユウさんは私の顔を覗き込むと
いきなり泣き出した。


『お前…心配かけんな。ちゃんと寝ろ。
ちゃんと食え。お前までいなくなったら
俺ナナに顔向けできねーよ。』

ユウさんは病気とか事故とか
人一倍敏感。
お姉ちゃんのこともあって
神経質になっていた。

『ごめん…なさい。』

確かに最近は疲れていると思ったけど
倒れるまでとは思わなかった。
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