もう一度届きますように。
『やりたいことを仕事にできてる分
頑張ろうって思ったのに。
自分がこんなんじゃ意味ない。
周りに迷惑かけてる。』

頷きながらツバサは私の話を聞いてくれる。
こんなにゆっくりツバサに話すことは
今までなかった。


『キヨ、頑張るって思うのはいいことだよ。
けど1人で頑張るより、
周りの人に頼っていいんじゃない?
周りもきっとそう思ってる。
もっと頼ってほしいって思ってるよ。』


少し見ないうちに
ツバサは大人になったのかもしれない。
私に触れる手は
あの時より暖かくて
ツバサの言葉は
あの時より重みがあった。


ありがとうという代わりに
ツバサに微笑みかけた。
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